2010/1/27

チェコ・スロバキア

チェコ、ユーロ導入目標を2016年に

この記事の要約

チェコ政府が今週中に欧州連合(EU)に提出する「収れん計画」のなかで、欧州単一通貨ユーロの導入目標を2016年と明示しているもようだ。『ラジオ・プラハ』が25日伝えた。チェコは2006年に2010年の導入目標を撤回して以 […]

チェコ政府が今週中に欧州連合(EU)に提出する「収れん計画」のなかで、欧州単一通貨ユーロの導入目標を2016年と明示しているもようだ。『ラジオ・プラハ』が25日伝えた。チェコは2006年に2010年の導入目標を撤回して以来、明確な目標時期を設定してこなかった。導入実現には財政赤字削減がカギとなる。

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ユーロ導入には、前段階となる欧州為替相場メカニズム(ERM2)に最低2年間加わり、対ユーロ標準値から自国通貨の変動率を上下15%以内に抑えることが求められる。これに加えて単年度財政赤字、債務残高、インフレ率、長期金利の各項目で基準を満たす必要がある。チェコが現段階で唯一、基準を満たしていないのは財政赤字。政府は今年で国内総生産(GDP)比5.7%に上る見込みの財政赤字を、2013年までにユーロ導入の基準値であるGDP比3%以内に抑制し、16年のユーロ導入を実現させるという。

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5月に実施される議会総選挙までの暫定政権であるフィシェル内閣が発表した計画だけに、実効性を疑問視する向きもあるが、総選挙で勝利が有力視される現野党の社会民主党(CSSD)もユーロの早期導入に積極的。同党は、富裕層や法人の所得税、不動産取引税などを引き上げて2013年か14年に財政赤字基準をクリアし、14年か15年にユーロを導入するとうたう。

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ただ、CSSDの計画には「最も重要な、歳出面の改革から目を背けている」(パトリアファイナンス・アナリストのマレク氏)との批判も多く、同党の政策で赤字削減を達成できるかは不透明感が付きまとう。ヤノタ財相も1月中旬、財政赤字の大幅削減には◇社会福祉費の大胆なカット◇公務員の大幅削減◇増税――の実施が不可避だとしたうえで、「2013年までの基準達成は不可能」と吐露したばかり。チェコのユーロ導入にはまだ紆余曲折がありそうだ。

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