2010/5/5

ロシア

ロシア中銀が0.25%利下げ、金利は過去最低更新

この記事の要約

ロシア中銀は4月30日、主要金利をそれぞれ0.25%引き下げた。中銀の利下げは昨年4月以来13回目で、この間の利下げ幅は5%に達した。ただ、中銀は利下げ決定後の声明で「今年下半期にインフレ率が上昇する可能性も排除しない」 […]

ロシア中銀は4月30日、主要金利をそれぞれ0.25%引き下げた。中銀の利下げは昨年4月以来13回目で、この間の利下げ幅は5%に達した。ただ、中銀は利下げ決定後の声明で「今年下半期にインフレ率が上昇する可能性も排除しない」とインフレ懸念に言及。「今後の金利政策にあたっては、インフレ動向のより詳細な分析が必要となる」と述べ、利下げサイクルが終了に近づいていることを示唆した。

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今回の利下げで、リファイナンス金利は年8%、レポ金利は同7%となった。ロシア経済は回復傾向にあるものの、経済発展省が発表した今年1-3月の国内総生産は前期比プラス0.6%と、2009年10-12月期のプラス1.7%、7-9月期のプラス2.0%と比べて回復のペースが減速。また中銀の度重なる利下げにもかかわらず、国内の金融機関は「リファイナンス金利プラス3%くらいでの貸し出しが妥当だが、大多数の銀行はプラス6%つけている」(国家会計院ゴレグリャド氏)と慎重な姿勢を崩さず、融資が伸びていない。年初からのインフレ率も3.5%と、前年同期の6.1%に比べ低いことから、中銀は利下げ継続を決定した。

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一方、不況対策で生じた過剰流動性により、中国、インド、ブラジルなど他の主要新興国はすでに利上げに舵を切った。ロシアでもクドリン財相が、新たなインフレを防ぐため利上げを打ち止めにするよう求めていた。このため市場では、利下げはせいぜいあと0.25%で、今年末から来年前半にかけ利上げに転じるとみる向きが多い。

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