2011/6/8

ポーランド

中国海外工程集団、ポーランド高速道建設から撤退

この記事の要約

ワルシャワとベルリンを結ぶ高速道路A2号線の建設工事がストップしている問題で、ポーランド道路総合管理局(GDDKiA)は3日、工事を請け負った中国海外工程集団有限責任公司(COVEC)が、契約を解消する方向であることを明 […]

ワルシャワとベルリンを結ぶ高速道路A2号線の建設工事がストップしている問題で、ポーランド道路総合管理局(GDDKiA)は3日、工事を請け負った中国海外工程集団有限責任公司(COVEC)が、契約を解消する方向であることを明らかにした。政府は工事の早期再開に向けて、対応策の検討に入っている。

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A2号線建設は、ウクライナとの共同開催による来年の欧州サッカー選手権に向けたインフラ整備の一環だ。09年に工事入札が実施され、ワルシャワ~ウッジの2区間(全長49.2キロ)をCOVECおよび現地の建設会社Polimex Mostostal、Budimexの3社連合が13億ズロチで落札した。しかし、5月中旬にCOVECの下請け業者が数百万ズロチに上る買掛債務の不履行を理由に仕事を拒否。以来、工事がストップしたままとなっている。

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GDDKiAが2日、COVECに対し、完工に向けた現実的な計画を9日までに提出するよう求めたところ、翌3日にCOVECから工事継続を断念する意向が伝えられた。今後の対応について来週にも交渉の席が設けられる。政府はその結果次第で、COVECに対し、7億4,100万ズロチ以上の損害賠償を請求する姿勢だ。

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トゥスク首相はすでに2日、COVECが工事を中止した場合の措置についてグラバルチク建設相と協議する予定を明らかにしている。予算を抑えながら工事の大幅な遅延を避ける方策を練るという。

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GDDKiAでは自らが工事の指揮を執ることも含め、対応策を検討中だ。『ジエンニック・ガゼタ・プラヴナ』紙によると、GDDKiAはすでに20社を超える下請け企業の代表者と会見。未払い報酬の支払いを保証し、工事再開を要請している。

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COVECによる工事落札は中国建設会社初の欧州進出事例として注目を集めた。しかし、落札価格が当初予想の半分の水準だったため、競合企業からは「ダンピング」として非難の声があがっていた。(1PLN=29.84JPY、東欧経済ニュース2009年9月9日号「A2号線のウッジ~ワルシャワ間、建設4社が受注」を参照)

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