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2011/10/12

チェコ・スロバキア

8月の鉱工業生産5.9%増、景気減速が明確に

この記事の要約

チェコ統計局(CSU)が7日発表した8月の鉱工業生産高は名目ベースで前年同月から5.9%拡大し、前月実績を1.5ポイント上回った。しかし、労働日数を勘案した季節調整値では3.5%増となり、上げ幅は前月の6.8%から大きく […]

チェコ統計局(CSU)が7日発表した8月の鉱工業生産高は名目ベースで前年同月から5.9%拡大し、前月実績を1.5ポイント上回った。しかし、労働日数を勘案した季節調整値では3.5%増となり、上げ幅は前月の6.8%から大きく後退した。前月比では0.6%減となった。新規受注も減少しており、今後数カ月中に景気が急速に減速するのは確実な見通しとなっている。

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成長の原動力となったのは、自動車(前年同期比7.2%増)、機械・設備(12.7%増)金属加工品(6.5%)の各産業だった。一方で、コンピューター、電子光学機器(8.3%減)、食品加工(2.5%)、医薬品(9%減)が足を引っ張った。

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新規受注は3.4%縮小した。国外が3.3%増加したのに対し、国内は14.1%も減少し、内需の弱さを露呈した。業界別で低下が目立ったのはコンピューター、電子光学機器(18.7%減)、自動車(6.2%減)、金属(9.9%)だった。受注が増えたのは、金属加工品(10.9%増)、電気機器(4.3%)、繊維(10.4%増)。

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アナリストらの話を総合すると、国外新規受注高の減少などに欧州債務危機の影響が出始めており、予想よりも早く鉱工業生産の成長ペースが鈍ってきている。ライフアイゼン銀行では今年の経済成長率が約7.5%に達するとみるが、来年は1.8%に落ち込むと予想する。

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金融市場の不安増大で銀行は現金を自己資本強化に充てるとともに、貸出条件を厳格化する傾向にある。これにより企業の資金調達が難しくなっている。

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今後の経済動向を占うに当たっては、自動車業界がカギを握る。同業界生産高の伸び率が7月の38.4%から8月は7.2%と1ケタに落ち込んだことで、チェコの鉱工業生産高が全体として伸び悩むとの懸念が強まっている。

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なお、従業員50人超の企業における雇用数は3%増加。名目賃金の平均(月額)は4.8%増の2万5,036コルナだった。(1CZK=4.21JPY)

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