2013/2/6

ロシア

ロスネフチ、ベネズエラ事業を強化

この記事の要約

ロシア石油最大手のロスネフチはこのほど、ベネズエラ政府と海底鉱床開発での提携で合意、契約に調印した。セチン社長はベネズエラが国外戦略で最も重要な位置を占めているとし、今後数年で総額100億米ドルを投資する方針を明らかにし […]

ロシア石油最大手のロスネフチはこのほど、ベネズエラ政府と海底鉱床開発での提携で合意、契約に調印した。セチン社長はベネズエラが国外戦略で最も重要な位置を占めているとし、今後数年で総額100億米ドルを投資する方針を明らかにした。

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ベネズエラのラミレス石油相によると、今後6年でロシア・ベネズエラ企業の投資額は470億ドル弱に上る見通しだ。このうち170億ドル以上がロシアからの直接投資だという。

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ロシア企業はベネズエラ事業に積極的で、ロスネフチのほかにガスプロムやルクオイル、スグルトネフチガスなどが進出している。ロスネフチも参加するロシア企業連合、ナショナル・オイル・コンソーシアムはベネズエラ石油公社(PdVSA)と提携し、フニン6鉱区やカラボボ2鉱区を含む5件のプロジェクトを推進している。

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ロスネフチは先月、スグルトネフチガスが持つ同コンソーシアムの資本を取得し、出資比率を40%に引き上げた。TNK-BPの買収手続きが済むと、さらに60%に拡大する。残りはルクオイルとガスプロムネフチがそれぞれ20%を保有する。

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TNK-BPはPdVSAとの合弁事業ペトロモナガスに16.7%出資しており、この株式もロスネフチが取得することになる。

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ベネズエラの確認石油埋蔵量は3,000億バレルと世界最大を誇る。PdVSAがロシア企業との合弁で生産する石油は現在、日量23万バレル。ベネズエラ政府はこれを2021年までに110万バレルへ引き上げる目標を掲げている。

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■過去最高益を記録

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ロスネフチが1日発表した2012年通期決算の最終利益は前年比7%増の3,420億ルーブル(84億ユーロ)となり、過去最高を記録した。増産と原油価格上昇が追い風となった。売上高は13%増の3兆780億ルーブル。

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ただ、一部の油田における課税率上昇や探索費用の拡大で最終利益はアナリストの事前予想を50億ルーブル下回ったほか、本業のもうけを示す営業利益(EBITDAベース)も8%減の6,090億ルーブルに減少。また、キャッシュフローも450億ルーブルと前期末から54.5%縮小した。同社は今年上半期中にTNK-BPを総額550億米ドルで買収する手続きを完了させる予定なことから、キャッシュフローの激減は市場で懸念を呼んでいる。

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