2013/11/13

総合・マクロ

中東欧事業を拡大

この記事の要約

中東欧で事業を展開するオーストリアのウィーン保険グループ(VIG)は、中東欧市場への進出を強化している。1人当たり保険支出額が低く、今後の成長が確実に見込めるため。12日には南ア保険最大手オールド・ミューチュアル傘下のス […]

中東欧で事業を展開するオーストリアのウィーン保険グループ(VIG)は、中東欧市場への進出を強化している。1人当たり保険支出額が低く、今後の成長が確実に見込めるため。12日には南ア保険最大手オールド・ミューチュアル傘下のスカンディア・リテール・ヨーロッパからポーランド生命保険事業を買収することで合意。また、14年にはエストニアでも進出し、バルト三国でも事業の足場をさらに広げたい考えだ。

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VIGは12日、スカンディア・リテール・ヨーロッパからポーランド生命保険事業を100%買収すると発表した。中核市場であるポーランドでの地位を強化する狙い。運用型契約の保有数を大幅に増やすほか、スカンディアの販売網を通じて新しい顧客層が開拓できるとみている。契約金額は明らかにされていない。取引成立には競争・監視当局の承認が必要となる。

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スカンディアのポーランド生保事業は今年上半期に4,500万ユーロの保険料収入を計上し、同国14位につけている。昨年は通期で約9,100万ユーロを達成した。従業員数は150人。

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一方のVIGはポーランドで生保3社、損保3社を運営する。上半期の保険料収入は合計6億1,000万ユーロとなり、ポーランド保険市場で3番目の地位にある。

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VIGによると、ポーランドは人口が3,850万人と多く、内需を背景に危機の中でも経済の堅固さを示した。2012年の保険市場規模は前年比7.9%増の約150億ズロチで、人口一人当たりの保険支出額は390ユーロとなった。これはオーストリアの1,920ユーロ、チェコの560ユーロと比べても低い水準にある。

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■バルト三国事業も強化

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VIGのペーター・ハーゲン社長はエストニアの『ポスティメース』紙とのインタビューで、同国での事業を拡大する方針を明らかにした。同社はエストニアではこれまで、生命保険事業を展開していたが、14年からは生保以外の分野でも保険商品の提供を開始する。

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同社はエストニア生保市場では、ポーランド子会社コンペンサ・ライフを通じて事業を展開している。国内4位の座にあり、市場シェア16%を握るという。

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VIGは2008年にエストニア生保市場に進出。同国を介してラトビアとリトアニアでもサービスを開始した。また、損保事業ではコンペンサ・ノンライフを通じてラトビアとリトアニアに進出済みだ。昨年のバルト三国生保事業の保険料収入は3,100万ユーロで、前年実績を29.3%上回った。

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ハーゲン社長はバルト三国の総人口が650万人とスロバキアよりも多い事実に目をむけ、三国を一つの市場ととらえた事業展開を目指している。一人当たりの保険支出額が170ユーロと小さく、オーストリアの1,920ユーロと比べれば拡大の余地が大きいのは一目瞭然と話す。

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業界メディアによると、エストニアの保険市場は昨年10.6%増の3億4,500万ユーロに成長した。生保は5.7%増、損保は12%増だった。

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ラトビア保険市場は前年の伸び率(19%)を大幅に下回ったものの、それでも9.7%の拡大を示した。リトアニアは5.2%成長した。

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