2014/2/12

ロシア

ロシア景況感が過去5年半で最低に、景気後退の懸念膨らむ

この記事の要約

ロシア景気後退の懸念が拡大している。1月の製造業購買担当者景況感指数(PMI)は48.0と、2009年6月以来で最低を記録した。景気の分岐点を示す50を下回ったのは過去7カ月間で6回目で、製造業者の事業環境が悪化を続けて […]

ロシア景気後退の懸念が拡大している。1月の製造業購買担当者景況感指数(PMI)は48.0と、2009年6月以来で最低を記録した。景気の分岐点を示す50を下回ったのは過去7カ月間で6回目で、製造業者の事業環境が悪化を続けている様子がうかがわれる。

英金融大手HSBC・ロシア担当主任エコノミストのモロゾフ氏は1月のPMIを踏まえ、「経済成長がゼロあるいはマイナスに転落するリスクが大きくなっている」と指摘する。これまで多くの経済専門家がプラス成長を見込んできたが、予測が大きく外れることもありそうだ。

成長をけん引してきた個人消費はすでに昨年、伸び率が前年比3.2ポイント減の4.7%へと大きく低下した。1月のPMIでも消費財メーカーで予想を超える需要減が観察された。

設備投資はまだ完全に復調したとはいえず、個人消費の落ち込みを埋めるのは難しい。サービス業PMIも頭打ちの状況だ。

通貨ルーブルの下落も懸念材料となっている。輸入品の値上がりで個人の消費意欲が抑制されるのに加え、、企業の調達コストも上昇する。輸出企業には有利だが、ロシア経済全体を押し上げるほどの効果はないとみられている。