2014/4/2

総合・マクロ

クリミア情勢、欧州経済に影響も=ライフアイゼン主席アナリスト

この記事の要約

墺大手銀行ライフアイゼンバンクは3月26日、クリミア問題をめぐるウクライナとロシアの対立が今後さらに先鋭化した場合、欧州経済も影響を免れないとの見解を示した。 ライフアイゼンバンクの主席アナリスト、ブレチンシェク氏はウィ […]

墺大手銀行ライフアイゼンバンクは3月26日、クリミア問題をめぐるウクライナとロシアの対立が今後さらに先鋭化した場合、欧州経済も影響を免れないとの見解を示した。

ライフアイゼンバンクの主席アナリスト、ブレチンシェク氏はウィーンで開かれた国際研究機関(IIR)の年次総会で、「対立がエスカレートするリスクは排除できない」と述べ、クリミア情勢は欧州の目先の景気に影響を与えると指摘した。同氏はまた、プーチン大統領の側近に経済の専門家がいないことを問題視。クリミアをめぐる対立はロシアの投資と消費に悪影響を及ぼし、自身の首を締めることになると警告した。ロシアではすでに資本流出がインフラ投資や技術革新、雇用を脅かしているとして、今年の経済成長予測を1.7%から1.0%に下方修正。対立が先鋭化すれば、さらなる下押し圧力がかかるとの見方を示した。

ブレチンシェク氏は、ロシアとウクライナの対立によって、株式市場はリスクが高くなっていると指摘。1~3月に見られたような調整リスクは今のところ大きいものの、上昇トレンドには変わりがないとして、年間を通しては10~15%上昇する可能性があると楽観的な見通しを示した。また、新興国市場については慎重なスタンスで臨むべきだとしながらも、「新興国の時代は終わりを迎えたわけではない」と述べ、年後半から状況は改善する可能性が高いとした。