2014/9/24

ロシア

ガスプロムに対する調査を一時中止、ウクライナ情勢悪化で

この記事の要約

ロシアの国営ガス会社ガスプロムが欧州連合(EU)競争法に違反した疑いがあるとして欧州委員会が調査していた問題で、欧州委のアルムニア副委員長(競争政策担当)は19日、ウクライナ情勢の緊迫化を受けて調査を一時中止すると発表し […]

ロシアの国営ガス会社ガスプロムが欧州連合(EU)競争法に違反した疑いがあるとして欧州委員会が調査していた問題で、欧州委のアルムニア副委員長(競争政策担当)は19日、ウクライナ情勢の緊迫化を受けて調査を一時中止すると発表した。

欧州委はガスプロムが中・東欧における独占的な地位を乱用し、ガス供給ルートの多様化を阻害したり、ガス価格を不当につり上げるなど、域内のガス市場で公正な競争を阻害している可能性があるとして、2012年9月に同社に対する本格調査を開始した。ガスプロムは巨額の制裁金が科される事態を回避するため、昨年12月に改善策を提示。これに対しアルムニア委員は今年2月、改善策が不十分であるとして、同社に異議告知書を送付する準備を進める意向を示したが、ウクライナ情勢の悪化によりその後の調査が滞っていた。

国際法曹協会(IBA)の会合に出席したアルムニア副委員長は、「ウクライナ危機により調査を一時中止する」と述べる一方、「調査を終了するわけではない」と強調。いずれ調査を再開する方針を明らかにした。アルムニア氏は10月末に退任するため、この事案は後任となるデンマークのフェスターガー元経済相に委ねられることになる。