2015/1/7

総合・マクロ

中国、中東欧のインフラ整備に協力

この記事の要約

中国の李克強首相は12月16日、セルビアのベオグラードで開催された中東欧16カ国の首脳会議に出席し、鉄道や道路などのインフラ整備を通じて中東欧地域との経済的結びつきを強化する意向を表明した。 李首相は会議の中で中東欧向け […]

中国の李克強首相は12月16日、セルビアのベオグラードで開催された中東欧16カ国の首脳会議に出席し、鉄道や道路などのインフラ整備を通じて中東欧地域との経済的結びつきを強化する意向を表明した。

李首相は会議の中で中東欧向けの30億ドル規模の投資基金設立を表明。鉄道や道路、港湾などのインフラ整備事業への活用に期待を示した。また、2014年に430億ユーロ程度だった同地域との貿易額を今後数年内に1,000億ユーロ規模に引き上げる方針を明らかにした。

中国にとって中東欧地域は給与水準の低さと教育の高さが魅力となっている。首脳会議と合わせ2日間の日程で開かれた経済会議には200を超える中国企業が参加し、ベオグラードとハンガリーの首都ブダペスト間を結ぶ350キロメートルの鉄道路線の計画などが話し合われた。

中東欧諸国と中国との間ではこれまでにモンテネグロの高速道路、ルーマニアの原子炉、ハンガリーの化学工業プラント、クロアチアとブルガリアの港湾設備などの建設整備計画が持ち上がっている。一方で、これらの計画は中国を利するだけとの声も根強い。セルビアの海外投資専門家ミラン・コヴァチェビッチ氏はベオグラード市内を流れるドナウ川の橋の建設工事を例に挙げる。同工事を巡っては、工事を請け負った中国企業に対し中国系銀行が資金を低利で融資したほか、大半の作業員や建設資材が中国から調達された。コヴァチェビッチ氏は「橋をまるごと中国から輸入したようなもの」と述べ、中国企業の活動による地元への経済効果を疑問視している。