2015/1/7

ルーマニア・ブルガリア・その他南東欧・トルコ

クロアチア大統領選、11日に決選投票へ

この記事の要約

クロアチアで12月28日に行われた大統領選挙は、現職で中道左派が推薦するイヴォ・ヨシポヴィッチ候補(57)が38.5%の票を獲得して1位となったが、当選に必要な過半数を確保できず、決着は11日の決選投票に持ち込まれた。2 […]

クロアチアで12月28日に行われた大統領選挙は、現職で中道左派が推薦するイヴォ・ヨシポヴィッチ候補(57)が38.5%の票を獲得して1位となったが、当選に必要な過半数を確保できず、決着は11日の決選投票に持ち込まれた。2位は元外相で中道右派・クロアチア民主同盟(HDZ)が推すコリンダ・グラバルキタロヴィッチ候補(46)で37.2%を得票した。事前の世論調査で8~10ポイント差あった両者の支持率は、わずか1.3ポイント差まで縮まった。投票率は47%の低率にとどまった。

注目されるのは、結成間もない新党「人間の壁(Zivi Zid)」のイヴァンヴィリボル・シンチッチ候補(24)が16.4%を得票したことだ。長引く不況と政府の無策に国民の不満が強まっている様子がうかがわれる。決選投票では、これらの批判票をどれだけ自らの陣営に引き込めるかがカギとなりそうだ。

クロアチア経済は6年連続のマイナス成長で、失業率は20%、若年層に限ると40%以上と深刻だ。人口450万人のうち、160万人が貧困すれすれの生活を強いられる一方で、2011年末に政権についたミラノビッチ中道左派連立政府は「危機からの脱却」の公約を果たせず、政府への信頼は地に落ちている。最大与党・社会民主党(SDP)の支持率は昨年初めの24%から12月には19%まで下落。野党のHDZは逆に20%から27%弱まで持ち直した。

新党「人間の壁」は、不況で住宅ローンを払えなくなった子持ち世帯の強制立ち退きに反対するほか、◇銀行の支配◇欧州連合(EU)の言いなりの政治運営◇旧ユーゴスラビア国際戦犯法廷への容疑者引渡し--などに反対している。