ロシア政府は25日、同国が主導するユーラシア経済連合(EEU)とベトナムとの自由貿易協定案を閣議で承認したと発表した。ウクライナ紛争による欧米との関係悪化を受け、アジアに活路を求めるロシア政府の戦略に沿うもので、29日のEEU首脳会議で正式に批准される予定だ。
政府発表によると、協定が発効すると「特定の商品(sensitive commodity items)」を除く幅広い商品について関税を減免することになる。具体的に何が特定の商品に当たるかは明らかにされていない。
ベトナムとロシアの貿易高は2013年の時点で40億米ドル以下にとどまる。しかし、メドベージェフ首相は先月、5年以内に100億ドルに拡大するとの見通しを示している。
今回のベトナムとの協定は、将来的にEEUと東南アジア諸国連合(ASEAN)との自由貿易協定締結につながる可能性を秘める。ASEAN加盟7カ国を合わせた域内総生産は13年に2兆4,000億ドルに上った。
EEUはロシアの強力な働きかけを受けて今年1月1日付で正式に発足した。ロシアのほか、ベラルーシ、カザフスタン、アルメニアの旧ソ連諸国が加盟している。