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2010/3/10

経済産業情報

EUの送電網投資需要、5年で最大280億ユーロに

この記事の要約

欧州連合(EU)では高圧送電網の整備・拡張に今後5年間で230億~280億ユーロを投資する必要がある。欧州送電網運営事業者ネットワーク(Entsoe)への取材をもとに独『フランクフルター・アルゲマイネ』紙が報じた。\ E […]

欧州連合(EU)では高圧送電網の整備・拡張に今後5年間で230億~280億ユーロを投資する必要がある。欧州送電網運営事業者ネットワーク(Entsoe)への取材をもとに独『フランクフルター・アルゲマイネ』紙が報じた。

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Entsoeは欧州委員会の委託を受け域内の10年間の投資計画を作成、そこから2015年までに必要な投資額を算出した。それによると、域内の国境を越えた電力取引と安定供給、風力・水力・ソーラー電力の供給を確実に実現するには2020年までに3万5,000キロメートルの送電網を新たに敷設するほか、既存設備についても7,000キロメートルを近代化する必要があり、まずは2015年までに1万8,700キロメートルを拡張すべきだという。

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EUの電力消費量は2020年まで年率1.5%の緩やかな増加にとどまるものの、発電量が安定しない再生可能エネルギーの占める割合が全体の25%を占めるようになるため、送電網の整備を急ぐ必要があるとしている。

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域内の送電網拡張に関しては、北海に隣接する9カ国が今年1月、海底ケーブルを共同で敷設するプロジェクト「Seatec」を発表した。北海のオフショア風力発電パークを9本のケーブルで北欧の水力発電所などに接続する計画で、9本のケーブルの全長は9,600キロメートルに及ぶ。

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Entsoeはこのほか、太陽光発電や風力発電が盛んな地中海沿岸地域での送電網拡張や、バルト3国の送電網の域内送電インフラへの統合の必要性を指摘している。

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EntsoeにはEU27カ国をはじめとする計34カ国の送電網運営事業者42社が加盟しており、2年ごとに10年間の投資計画を発表している。同計画には国別の投資計画と異なり拘束力がない。

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