米空軍が利用する次世代空中給油機の公開入札で欧州航空宇宙大手EADSと米Northrop Grummanからなるコンソーシアムの敗北が決定的となった。競合の米Boeingに有利な形で入札手続きが進められていることを受けNorthrop Grummanが8日、離脱を表明したためだ。これを受け欧州では米国の「保護主義」への批判が高まっている。
\今回の入札に至る経緯は紆余曲折を経ており、米軍は次期空中空油機の公開入札をまず2001年に実施した。このときはBoeingが落札したが、その後、不正があったことが発覚したため、仕切り直しとなり、今度はNorthrop Grummanと組んだEADSが落札。これに対しBoeingがクレームをつけたため、有力政治家が介入し3度目の入札が行われていた。
\EADSによると、3回目の入札では提示価格に的を絞って審査が行われることになっていたが、米国防総省はBoeingの給油機に有利に働くよう入札条件を変更したという。
\Northrop Grummanの入札離脱を受け、ブリューデルレ独経済相は「軍用品の調達であっても自由競争が一方的に制限されてはならない」と強調。与党キリスト教民主・社会同盟(CDU/CSU)のフックス院内副総務は「米国の野蛮な振る舞いに唖然としている」と批判した。欧州連合(EU)の欧州議会は米軍の入札を調査するよう欧州委員会に要請している。
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