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2010/3/10

経済産業情報

独化学業界生産高、09年第4四半期は前期比5.3%増に

この記事の要約

独化学工業会(VCI)が4日発表した2009年第4四半期(10~12月)の業界生産高は前期比で5.3%増加した。景気回復を反映したもので、世界の全地域で需要が拡大。設備稼働率は平均的水準(83~85%)をなお下回るものの […]

独化学工業会(VCI)が4日発表した2009年第4四半期(10~12月)の業界生産高は前期比で5.3%増加した。景気回復を反映したもので、世界の全地域で需要が拡大。設備稼働率は平均的水準(83~85%)をなお下回るものの79.9%まで持ち直した。生産者価格は0.7%上昇している。業界売上高は4.2%増の365億ユーロで、内訳は国外が4.5%増の215億ユーロ、国内が2.8%増の150億ユーロだった。

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生産高の伸びが最も大きかったのは医薬品で、8.0%増加した。以下ポリマー(7.3%増)、無機基礎化学品(6.7%増)が続く。ファイン・スペシャルケミカル製品は3.1%増、洗剤・ボディケア製品は2.1%増、石油化学品・誘導体は1.7%増だった。

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一方、2009年通期の化学業界生産高は前年比で10.1%減少。売上高は13.5%減の1,527億ユーロに縮小した。こうした厳しい状況のなか、業界就労者数は1.5%減の43万5,000人と減少幅が小さく、VCIは雇用維持に向け国と企業、労組の3者が「申し合わせることもなく連携した」(ティルマン専務理事)との見方を示した。

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2010年についてはアジア、南米、東欧市場がけん引車となり、独業界の生産高が約5%、売上高も約6%増加すると予想している。ただ最も重要な欧州連合(EU)市場に勢いが欠けるため、急速な回復は期待できないという。

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