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2011/6/15

経済産業情報

武田の糖尿病薬、新規患者への処方を独仏当局が禁止

この記事の要約

独連邦医薬品・医療機器審査局(BfArM)は10日、武田薬品工業が販売する糖尿病治療薬「アクトス」の新規患者への処方を暫定的に禁止すると発表した。フランス当局が9日に同様の措置を取ったことを受け、慎重を期して後にならった […]

独連邦医薬品・医療機器審査局(BfArM)は10日、武田薬品工業が販売する糖尿病治療薬「アクトス」の新規患者への処方を暫定的に禁止すると発表した。フランス当局が9日に同様の措置を取ったことを受け、慎重を期して後にならった格好。最終的な結論は仏保健製品衛生安全庁(AFSSAPS)が作成した同薬に関する報告書を精査したうえで導き出す意向だ。アクトスを現在服用している患者に対しては、同薬の内服を止めると血中糖度が高まり危険だとして、まずは医師に相談するよう呼びかけている。

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アクトスの売上高は3,879億円で、武田薬品の連結売上の27%を占める。欧州販売は2000年に承認された。AFSSAPSは同薬を服用する患者を調査した結果、男性のぼうこうがんを引き起こす可能性が他の糖尿病薬よりも高いことが分かったとして新規患者への処方を禁止した。アクトスとメトホルミンと配合した製品「コンペタクト」についても同様の措置を取っている。

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欧州医薬品庁(EMA)はアクトスの安全性を調査するものの、当面は処方を制限しない意向を表明した。一方、米食品医薬品局(FDA)は昨年9月から同薬の調査を進めている。

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