ケルン市のバス・地下鉄・トラムを運営するケルン市交通公社(KVB)はこのほど、老朽化した市電車両を改造するプロジェクトを開始した。対象となるのは1982~84年に導入された2100系統の高床車両28台で、12年初めに最初の試作車を完成させ、2016年初めまでに順次、新デザイン・技術を採用した車両へとよみがえらせる。改造後は30年間、使用する計画だ。
\老朽車両改造の最大のメリットは、新規車両を購入するよりもコストが大幅に安いことだ。同社のユルゲン・フェンスケ社長によると、新規車両の価格が1台当たり約320万ユーロに上るのに対し、車両改造費用は166万ユーロとほぼ半額で済む。
\また、改造の対象とする車両は造りが頑丈で疲労の程度が小さいことも大きい。鉄道車両関係者は『ファイナンシャル・タイムズ(ドイツ版、FTD)』に対し、「1970~80年代ごろの鉄道車両は、今では考えられないほど高い品質で造られている。廃車にせず改造して使い続けることは十分可能」と語った。
\今回の改造では電子系統やブレーキシステム、ドア開閉システムを新たなものに入れ替えるほか、新たに冷房を取り付ける。座席の配置や内装も変更し、乗客に快適な車内空間を提供する。
\改造作業は自社の修理工場で手がける。稼働率を引き上げるとともに、従業員の技術水準を維持する狙いがある。
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