会計監査法人のアーンスト＆ヤング（E&Y）がこのほどまとめた『独バイオテクノロジー・レポート』最新版によると、同国バイオテクノロジー業界の2011年の売上高は10億9,000万ユーロとなり、前年比で10％拡大した。一方、ベンチャーキャピタル（VC）、増資・社債発行による資金調達額は1億3,000万ユーロと前年の3分の1以下に激減、金融・経済危機に見舞われた09年の水準をさらに下回った。
\業界企業数は397社で前年より7社減少したものの、就業人口、研究開発（R&D）投資額はともに4％増えそれぞれ1万人、7億8,300万ユーロに拡大。業界全体の赤字額は5％減の4億3,700万ユーロに縮小した。
\独バイオ企業が進める薬効成分プロジェクトは301件で、前年（304件）をわずかに下回った。臨床段階（フェーズI～III）にあるプロジェクトは前年から1件減の142件、販売認可手続き中の新薬はゼロだった。
\VCによる資金調達は前年の2億8,100万ユーロから8,700万ユーロに、増資・社債発行によるものは同1億6,000万ユーロから4,300万ユーロに落ち込んだ。ただ、E&Yの担当者は「VCによる資金調達は厳しさを増しているが、ファミリーオフィスや個人投資家など非公開の出資についてはデータに反映されておらず、実際に企業が確保した資金が7割減少したとは必ずしも言えない」と指摘する。
\一方、特許薬業界団体である研究開発型製薬工業会（VFA）のバイオ部会（VFA.Bio）が4月25日に発表した加盟32社の国内売上高は前年比0.5％増の54億4,500万ユーロと小幅な伸びにとどまった。免疫疾患（リューマチなど）の分野で5.8％拡大した以外は軒並み前年を下回った。
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