大手スポーツ用品メーカーが、環境保全やサステナビリティ(持続可能性)をはじめとする企業の社会的責任(CSR)への取り組みを強化している。商品選択の際に品質や価格ばかりでなく、CSRに配慮した製品を重視する消費者が増えていることが背景にある。アディダスは受託製造(OEM)メーカーのリストを公表して透明性をアピール。同社が公式パートナーになっているロンドンオリンピックではリサイクル素材で作ったシャツや靴をボランティアに提供する。4月26日付『ハンデルスブラット』が報じた。
\スポーツ用品メーカーはオリンピックやワールドカップなどの国際的なイベントで公式パートナーとして関与するなどしてブランドイメージを作り上げている。一方、環境・人権保護団体などはこうしたイベントを、メーカー工場の劣悪な労働環境などをやり玉に挙げる絶好の機会として利用することが少なくない。こうしたマイナスイメージはメーカーにとって大きな打撃となるため、人々の注目が集まる大型イベントでCSRの取り組みをアピールすることは重要だ。
\スポーツ用品世界最大手のナイキは、サッカー欧州選手権でリサイクル素材のサッカーウエアを提供する。担当者によると、ウエアはいずれもペットボトルを原料とする再生ポリエステル製で、「サッカーパンツは100%、シャツも96%以上が再生繊維。上下1着に平均13本のペットボトルが使われている」。
\世界3位のプーマは、事業活動に伴って生じる環境負荷を事業コストとして仮計上する環境バランスシートを導入したほか、4月には使用済みの靴やウエア、付属品をリサイクルするための回収ボックスをドイツ国内の全直営店に設置した。
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