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2012/7/4

企業情報

Fresenius SE & Co. KGaA―独民間病院2位へのTOBが失敗―

この記事の要約

独民間病院2位Rhoen-Klinikumの買収に向けて同最大手のFresenius(バート・ホンブルク)が実施した友好的な株式公開買い付け(TOB)が失敗した。TOBの成立条件を高く設定したほか、競合Asklepios […]

独民間病院2位Rhoen-Klinikumの買収に向けて同最大手のFresenius(バート・ホンブルク)が実施した友好的な株式公開買い付け(TOB)が失敗した。TOBの成立条件を高く設定したほか、競合Asklepiosの横やりが入ったことが響いた。Freseniusは6月29日付のプレスリリースで、Rhoen-Klinikum買収の新たな可能性をすみやかに検討する方針を表明した。

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Freseniusは5月18日にTOBを開始。Rhoen-Klinikumを1株当たり22.50ユーロで買収する計画で、TOB終了時の6月27日までに84.3%を確保した。だが、TOBの成立条件を90%プラス1株以上と設定しており、条件を満たせなかった格好だ。TOBのハードルを高くしたのは、株主総会で重要決議を成立させるには90%超の賛成が必要との規定がRhoen-Klinikumの定款にあるため。

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Freseniusは傘下のHeliosを通して病院事業を展開しており、Rhoen-Klinikumの買収が実現すると売上高は60億ユーロへと倍増し、欧州最大の医療機関となる見通しだった。独市場3位のAsklepiosはそれを阻止するためにRhoen-Klinikum株5.01%を取得した。

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FreseniusはRhoen-Klinikumを傘下に収めることで全国にくまなく病院網を展開するドイツ初の医療機関となる方針で、買収のメリットは大きいとしている。

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