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2014/6/11

総合 - ドイツ経済ニュース

ECBが異例の金融緩和、預金のマイナス金利導入へ

この記事の要約

欧州中央銀行(ECB)は5日に開いた定例政策理事会で、デフレ回避、景気対策として異例の包括的な追加金融緩和策の実施を決めた。ユーロ圏18カ国に適用される最重要政策金利を現行の年0.25%から0.1ポイント引き下げ、過去最 […]

欧州中央銀行(ECB)は5日に開いた定例政策理事会で、デフレ回避、景気対策として異例の包括的な追加金融緩和策の実施を決めた。ユーロ圏18カ国に適用される最重要政策金利を現行の年0.25%から0.1ポイント引き下げ、過去最低の0.15%とする。さらに、銀行の貸し渋りを解消するため、民間金融機関が手元資金をECBに預け入れる際の金利(中銀預金金利)をゼロからマイナス0.1%にするほか、金融機関が融資を増やすことを条件に長期資金を追加供給するといった流動性供給措置も導入する。

政策金利の引き下げは昨年11月以来7カ月ぶり。預金金利のマイナスは、スウェーデン、デンマークの中銀が導入した例はあるが、主要国・地域の中銀では初めてとなる。両金利とも11日から適用される。

ユーロ圏ではインフレ率が極めて低い水準で推移するディスインフレが続いており、5月のインフレ率はECBが上限目標値とする2%を大きく下回る0.5%まで縮小した。景気回復の足取りが重く、経済活動がなお停滞していることで物価が上がらない状況にあるためで、ECBは同日発表した内部経済予測で、14年の予想インフレ率を0.7%とし、前回(3月)の1%から大幅に下方修正。ユーロ圏の14年の域内総生産(GDP)予想伸び率も1.2%から1%に引き下げた。