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2014/6/11

経済産業情報

ビールなどにプラスチック粒子混入、洗濯排水由来のPET微粒子か

この記事の要約

ミネラルウォーターやビールの一部にプラスチックの繊維状粒子が混入していたことが、北ドイツ放送協会(NDR)の消費者情報番組「Markt」(6月2日放送)の調査で明らかになった。全国に流通している有名メーカーの製品でも混入 […]

ミネラルウォーターやビールの一部にプラスチックの繊維状粒子が混入していたことが、北ドイツ放送協会(NDR)の消費者情報番組「Markt」(6月2日放送)の調査で明らかになった。全国に流通している有名メーカーの製品でも混入が見つかるなど、特定の地域・銘柄に限られておらず、原因や混入経路は特定できていない。

Marktの番組では、オルデンブルク大学海洋化学研究所に委託して国内で最も販売量の多いビールとミネラルウォーターを対象にプラスチック微細粒子混入の有無を調べた。この結果、「フェルティンス」「クロンバッハー」で1リットル当たり42個、「ヴァールシュタイナー」で47個、「パウラーナー」で70個、「イェーヴァー」で79個が検出された。ミネラルウォーターでもアルディ、リドル、ペニーで販売している製品から検出されたが、ビールに比べ混入量は少なかった。

取材班は、洗濯排水に含まれるフリース繊維(PET)由来の微粒子が、まわりまわって飲料製造の段階で混入した可能性があると推測している。測定を担当したオルデンブルク大学のゲルト・リーベツァイト教授は「我々は食品中だけでなく、大気中にもプラスチックの繊維状粒子が浮遊していることを確認している。食品の汚染ではなく、環境汚染全体の問題としてとらえる必要がある」との見解を示した。

ビール・ミネラルウォーターメーカーは、第三者機関に測定を依頼したところ、ビールと、ビールに使用する水のいずれからもプラスチック微粒子が検出されなかったと主張。Marktの報道内容に反論している。