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2014/7/23

経済産業情報

チョコメーカーが自家栽培へ

この記事の要約

独チョコレート大手のリッター・スポーツが中米ニカラグアでカカオ農園を開設する。アジアを中心とするカカオ需要の拡大を受けて安定確保が将来的に危ぶまれる懸念があるため。同業のバリーカレボー(スイス)やフェレロ(イタリア)も原 […]

独チョコレート大手のリッター・スポーツが中米ニカラグアでカカオ農園を開設する。アジアを中心とするカカオ需要の拡大を受けて安定確保が将来的に危ぶまれる懸念があるため。同業のバリーカレボー(スイス)やフェレロ(イタリア)も原料確保対策に乗り出している。

リッターは2012年、ニカラグア東部で農園用地2,000ヘクタールを取得した。現在そのうちの120ヘクタールにカカオが10万本、植えられており、2017年から出荷。全量を自社製品の生産に投入する。長期的にはカカオマスの30%を同農園から調達する計画だ。同農園には年500万ユーロを投資している。雇用規模は150人。

リッターは1990年からニカラグアでCSR(企業の社会的責任)活動を展開。農家が持続可能なカカオ栽培を行えるよう支援している。アルフレート・リッター社長は『フランクフルター・アルゲマイネ』紙に、「カカオ栽培の社会・環境条件を改善することは先進国、および特にチョコメーカーの義務だ」と明言した。

バリーカレボーはカカオの確保に向けてアフリカ最大の有機認証カカオ輸出事業者バイオランツを買収した。また、フェレロは原料のヘーゼルナッツを栽培する農園をカナダとオーストラリアに持つ。最近はセルビアでも栽培用地を取得した。