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2014/12/3

企業情報

ドイツテレコム(電気通信)―英合弁EE売却に向けBTと交渉―

この記事の要約

電気通信大手のドイツテレコム(ボン)は11月26日、仏オレンジと共同運営する英携帯電話サービス合弁のEEを英固定通信最大手のBTグループに売却する方向で交渉していることを明らかにした。BTは24日、スペイン通信最大手テレ […]

電気通信大手のドイツテレコム(ボン)は11月26日、仏オレンジと共同運営する英携帯電話サービス合弁のEEを英固定通信最大手のBTグループに売却する方向で交渉していることを明らかにした。BTは24日、スペイン通信最大手テレフォニカの携帯電話サービス部門「O2」の英子会社と、別の英携帯電話サービス会社の買収に向けてそれぞれ交渉している事実を明らかにしており、市場ではドイツテレコムとオレンジがEEの売却交渉をBTと開始したとの見方が広がっていた。ドイツテレコムによると、EEの売却交渉は初期段階にあり、成約にこぎ着けるかは定かでないという。

EEはドイツテレコムとオレンジが2010年、英国の携帯電話サービス事業を統合し、折半出資で設立した合弁会社で、ドイツテレコムは昨年、EEの上場を検討していることを明らかにしていた。だが、EEの事業戦略についてオレンジと協議した結果、現在の資本構造で成功していることから、当面は現体制を維持することを決定。市場では上場凍結について、EEが2011年に開始した英国初の第4世代(4G)サービスで加入者増が期待できることから、さらに企業価値を高めてから上場するのが得策と判断したとの見方が出ていた。

EEの直近の売上高は82億ユーロ、営業利益(EBITDA)は20億ユーロとなっており、アナリストは時価を126億ユーロと推定している。

英携帯電話サービス市場は現在、EEとO2、ボーダフォン、香港ハチソン・ワンポア傘下のスリーの4社体制。EEは最大手だが、世界の通信市場で総合的なサービスを展開する事業者が強みを増すなか、親会社のオレンジとドイツテレコムはBTとの統合に動いたとみられる。