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2014/12/3

経済産業情報

独メーカーの乗用車生産台数、今年は4%増に 来年は主要市場の西欧・中国・米国が成長鈍化

この記事の要約

独自動車工業会(VDA)は2日、ドイツメーカーの乗用車生産台数が今年は前年比4%増の1,470万台に達するとの見通しを明らかにした。ロシアや南米など低迷している市場はあるものの、主力の西欧、中国、米国が拡大。全体が押し上 […]

独自動車工業会(VDA)は2日、ドイツメーカーの乗用車生産台数が今年は前年比4%増の1,470万台に達するとの見通しを明らかにした。ロシアや南米など低迷している市場はあるものの、主力の西欧、中国、米国が拡大。全体が押し上げられる。

乗用車生産の地域別の内訳は国内が2%増の550万台強、国外が6%増の920万台弱。輸出は3%増の430万台を見込む。

VDAによると、西欧市場規模は今年4%強増の1,200万台以上となり、5年ぶりに拡大する見通しだ。財政・経済危機を受けて構造改革を実施したスペインで18%増加。ポルトガルとアイルランドでもそれぞれ約35%、約30%拡大する。英国も8%増の250万台弱となり、金融・経済危機前の水準まで回復する。ドイツは3%増えて2年ぶりに300万台を超える。一方、構造改革が不十分なイタリアは3%増えるものの、金融・経済危機前の水準をなお下回る見通しだ。フランスも1%増と振るわない。

米国は4%増の1,600万台強となり、経済・金融危機前の水準まで持ち直す。世界最大の中国は10%増えて1,790万台を超える。世界全体では2%増の7,470万台を見込む。

来年は世界市場規模が7,640万台で、伸び率は今年と同じ2%となる見通し。中国、米国、西欧市場は伸び率が鈍化。中国は6%増の1,900万台、米国は2%増の1,640万台、西欧は2%増の1,220万台となる。

西欧の主力市場の内訳はドイツが1%増で、イタリアとフランスはともに微増にとどまる。危機前の水準を回復した英国はさらに拡大する余地がほとんどないという。