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2014/12/3

経済産業情報

独鉱山機械業界、今年は33%の売上減に

この記事の要約

ドイツ機械工業連盟(VDMA)は11月27日、独鉱山機械業界の売上高が今年は前年比33%減の35億ユーロに大きく落ち込むとの見通しを明らかにした。鉱石価格の下落を受けて顧客の鉱山会社が投資を抑制していることが直撃。独鉱山 […]

ドイツ機械工業連盟(VDMA)は11月27日、独鉱山機械業界の売上高が今年は前年比33%減の35億ユーロに大きく落ち込むとの見通しを明らかにした。鉱石価格の下落を受けて顧客の鉱山会社が投資を抑制していることが直撃。独鉱山機械メーカーのおよそ半分は現在、操業時間を短縮しており、人員削減が避けられないところもあるという。

輸出高は32億ユーロとなり、約34%減少する。国内売上高も約20%減の3億2,000万ユーロに落ち込む見通し。

最大の仕向け先は輸出額が倍増した中東で、輸出全体の17%を占める。これに米国、ロシア、ラテンアメリカ、中国が続く。

鉱石価格は特に石炭で大きく落ち込んでおり、VDMAによると南アフリカ産の価格は2011年1月のトン当たり92ユーロ弱から現在は同50ユーロ強へと下落した。独鉱山機械メーカーは石炭産業への依存度が高いため、業界では硬岩採掘機械分野に進出する動きが強まっている。硬岩は風力発電タービンや太陽電池セルなど将来性の高い再生可能エネルギー関連製品に使われるため、硬岩採掘機械の需要が中期的に拡大すると見込んでいる。

欧州連合(EU)の対ロシア制裁も痛手となっている。ロシアの顧客企業は制裁を受けて、中国をはじめとする極東諸国の製品に乗り換える動きを見せているという。