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2014/12/3

経済産業情報

貴金属バイヤーがBASFなど提訴、プラチナ価格操作と批判

この記事の要約

プラチナとパラジウムの指標価格を化学大手の独BASFと金融大手ゴールドマン・サックス、HSBC、スタンダード・バンクが不当に操作していたとして、米貴金属バイヤーのモダン・セッティングスは11月25日、4社をニューヨークの […]

プラチナとパラジウムの指標価格を化学大手の独BASFと金融大手ゴールドマン・サックス、HSBC、スタンダード・バンクが不当に操作していたとして、米貴金属バイヤーのモダン・セッティングスは11月25日、4社をニューヨークの裁判所に提訴した。損害賠償の支払いを請求している。BASFはメディアの問い合わせに、訴状を受け取っていないためコメントできないと回答。残り3社もコメントを控えている。

プラチナとパラジウムの指標価格は4社が1日に2回、電話会議で決定する。訴状によると、4社は顧客データを違法に交換し、これによって得られた情報を利用して値動きに影響力を行使。先物、オプション価格も操作していた。

BASFは2006年に米触媒大手のエンゲルハードを買収。それに伴い貴金属取引事業に参入した。同事業の売上高は23億6,000万ユーロ(13年)に上る。

現行の指標価格決定方式は12月1日付で、ロンドン金属取引所(LME)が運営する電子プラットフォームに取って代わられた。ロンドン銀行間取引金利(LIBOR)などの不正操作問題を受けて、金融機関などが電話で価格を取り決める方式への信頼が失墜したためで、今後は不正を行えなくなると期待されている。

プラチナとパラジウムは宝飾品のほか、自動車などの触媒や歯科治療材にも用いられる。このため仮に価格操作が行われていたとすれば、被害は広い範囲に及んでいたことになる。