インフルエンザがドイツで猛威を振るっている。感染者数は週を追うごとに増加しており、ロベルトコッホ研究所(RKI)はピークにまだ達していないと判断。流行が4月まで続く可能性もあるとみている。ライン・ヴェストファーレン経済研究所(RWI)の試算をもとに『ヴェルト』紙が報じたところによると、インフルエンザの影響で今年第1四半期の国内総生産(GDP)は0.3%(22億ユーロ)押し下げられる見通しだ。
RKIによると、インフルエンザウイルスの検出件数は1月第4週の1,560件から同5週に3,477件へと倍増。その後も急増が続き、2月第3週には1万113件に達した。特に南部と東部で感染者が多い。
インフルエンザが広がると、病欠者が増えて企業の生産活動が鈍り、消費も鈍化する。また、重症化する患者の数が増えるため、医療コストが膨らむ。
インフルエンザの経済的な被害を抑制するためには、できるだけ多くの人が予防接種を受ける必要がある。全住民がワクチンの接種を受ければ、被害額を8億8,000万ユーロ(GDPの0.12%)に抑制できるというのがRWIの計算だ。
インフルエンザが今年大流行した背景には◇ウイルスの突然変異のスピードが速い◇予想とは異なるウイルスが流行した――という事情がある。