電機大手のシーメンス(ミュンヘン)がドイツ本国に風力発電用風車工場を設置する。再生可能エネルギーの普及加速に向けた「エネルギー転換政策」を受けて風車需要の拡大が見込めるためで、9月に正式決定する予定。ジョー・ケーザー社長が『フランクフルター・アルゲマイネ』紙に明らかにした。
工場の候補地は伏せているものの、同社長は部品が巨大であることを踏まえると水際でなければならないと指摘。北海沿岸か、その近辺になるとの見通しを示した。
新工場では同社が強い洋上用風車と、陸上用風車をともに手がける。陸上風車については小型の旧式設備を大型で発電容量の大きい設備に更新するリパワリングの需要を見込んでいる。
ケーザー社長は同紙に対しまた、エネルギー転換政策のしわ寄せで熱電併給型ガス発電設備の国内需要がほぼ消滅し、国外販売も難しくなっていると述べた。国外の顧客企業から「(シーメンス)の高性能ガスタービンを国内で購入する顧客がいないのはどうしてか」と問われ、回答に窮することが少なくないという。