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2015/8/5

経済産業情報

スーパー最大手エデカの同業買収はほぼ不可能に

この記事の要約

独中堅食品スーパーのカイザース・テンゲルマン(以下カイザース)を業界最大手のエデカが買収する計画を独禁当局の連邦カルテル庁が承認しなかったのは不当として、エデカが経済相による特別許可を申請している問題で、政府の諮問機関で […]

独中堅食品スーパーのカイザース・テンゲルマン(以下カイザース)を業界最大手のエデカが買収する計画を独禁当局の連邦カルテル庁が承認しなかったのは不当として、エデカが経済相による特別許可を申請している問題で、政府の諮問機関である独占委員会は3日、カルテル庁の決定を妥当とする鑑定書を発表した。独占委の提言に法的拘束力はないものの、同委は「条件付きでも経済相による許可を出すことはできない」としており、同買収計画が実現する可能性はほとんどなくなった。

カイザースの親会社であるテンゲルマンは昨年10月、カイザースをエデカに売却する計画を明らかにした。カイザースは事業規模が小さく赤字が続いており、単独で生き残るのは不可能と判断したためだ。

カルテル庁はこれを受けて同計画の調査を開始し、今年2月、一部の地域で市場の寡占が強まるほか、商品調達面でも中堅スーパーとメーカーに不当なしわ寄せが出るとして変更を要求。エデカは計画を一部変更したものの、同庁は不十分として4月に不承認の決定を下した。

エデカはこれを受けて、同社がカイザースを買収しなければ大量の雇用が失われるとして経済相の特別許可を申請していた。

これに対し独占委は、エデカが買収してもカイザースでの大規模な人員削減は避けられないと指摘。他の企業がカイザース買収に名乗りを上げていることも挙げ、テンゲルマンはカイザースの売却手続きを仕切り直すべきだとの見解を示した。

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