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2011/2/18

企業情報 - 自動車メーカー

アウディ、繊維強化材料の開発・生産で独フォイトと協力

この記事の要約

独フォルクスワーゲン(VW)傘下の高級車メーカー、アウディと独機械メーカーのフォイトは16日、繊維強化材料の開発・生産で協力すると発表した。従来技術の量産化や製造工程の開発とともに、新たなハイテク素材の開発でも協力する。 […]

独フォルクスワーゲン(VW)傘下の高級車メーカー、アウディと独機械メーカーのフォイトは16日、繊維強化材料の開発・生産で協力すると発表した。従来技術の量産化や製造工程の開発とともに、新たなハイテク素材の開発でも協力する。

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フォイトはすでに、製紙機械などの産業設備や駆動システム向けの炭素繊維複合材料(CFRP)を開発してきた実績がある。同社はアウディとの協力関係を通してこれらのノウハウを自動車分野にも広げる。

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アウディはすでに「R8」や「RS3」などに繊維強化素材を使った軽量部品を採用した実績を持つ。今後は軽量部品の開発とともに再利用技術にも重点を置く。また、アルミニウムや鉄鋼、マグネシウム、繊維強化材料など様々な素材を柔軟に活用して軽量化部品の開発に活用していく方針だ。

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繊維強化材料に関しては、ネッカーズルムにある軽量化技術センターに繊維強化材料の開発部門を開設し、研究開発を強化している。

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■ 独高級車メーカー、繊維強化部品の提携を積極化

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ドイツの高級車メーカーは繊維強化部品における提携が相次いでいる。ダイムラーは今年1月、東レと炭素繊維複合材料(CFRP)分野の合弁会社を設立すると発表した。東レが開発したCFRPの成形技術「ハイサイクルRTM成形技術」を活用して車両向け部品を製造・販売する計画だ。新会社は西南ドイツのエスリンゲンに設立。メルセデス・ベンツが2012年に発売予定の乗用車モデル向けに量産部品を供給する予定。

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一方、BMWは2013年に発売予定の電気自動車「メガシティー・ビークル」に炭素繊維複合素材を採用する計画で、2009年に独炭素素材大手のSGLグループと自動車向けの炭素繊維および炭素繊維を使用した中間製品を製造する合弁会社を設立した。また、SGLは炭素繊維原料の長期的な安定供給先を確保するため、三菱レイヨンと炭素繊維原料であるプレカーサーの製造・販売を事業とする合弁会社「MRC-SGLプレカーサー株式会社」を昨年設立している。

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