2013/12/2

欧州ビジネスウオッチ

バイエル、ノルウェー製薬会社に買収提案

この記事の要約

ノルウェーの製薬会社アルジェタは11月26日、独製薬大手バイエルから株式公開買い付け(TOB)を通じた買収提案を受けていることを明らかにした。協議は初期段階にあり、買収が実現するかは現時点で定かでないとしている。\ バイ […]

ノルウェーの製薬会社アルジェタは11月26日、独製薬大手バイエルから株式公開買い付け(TOB)を通じた買収提案を受けていることを明らかにした。協議は初期段階にあり、買収が実現するかは現時点で定かでないとしている。

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バイエルのアルジェタ買収は、抗がん剤事業の強化が狙い。バイエルは1株当たり226クローネ(約40ユーロ)で買収することを提案している。これは25日の終値を27%上回る水準で、全株式を取得した場合の買収総額は約18億ユーロに上る。両社は前立腺がん治療薬「Xofigo」事業で2009年から提携している。同薬は骨移転した前立腺がんの治療薬で、米国ではすでに販売。欧州でも販売許可が下りている。

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販売は米国でのみ共同で実施。それ以外の地域はバイエルが引き受け、アルジェタは売り上げの一定比率を受け取る。Xofigoは年商10億ユーロ超のいわゆる「ブロックバスター」に発展する可能性を秘めている。

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アルジェタは従業員数が175人で、米国に販売子会社を持つ。今年第3四半期の売上高は5,500万クローネで、前年同期の6,000万クローネから減少。最終損益は研究開発費の拡大と米販売網の構築コストがかさみ、赤字幅が3,900万クローネから9,800万クローネに膨らんだ。トリウム227をベースとしたがん治療薬の開発も進めており、来年には臨床試験を開始できる見通し。

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