欧州委員会は5日、アゼルバイジャン国営石油会社(SOCAR)がギリシャ国営のガス輸送システム運営会社DESFAを買収する計画について、競争上の懸念があるとして承認を見送り、本格的な審査を実施することを明らかにした。
DESFAはギリシャで唯一の高圧送ガス網と液化天然ガス(LNG)プラントを持つ企業。
ギリシャ政府は財政健全化計画の一環としてDESFAの民営化を決定。2013年に実施した入札でSOCARが落札し、株式66%を4億ユーロで取得することになっている。
10月1日に同取引認可の申請を受けた欧州委は初期調査の結果、ギリシャでガス元売り事業を展開しているSOCARがDESFAを買収すると、競合企業の送ガス網利用を制限し、ギリシャの同市場の健全な競争を阻害する恐れがあると判断。詳細な調査を行った上で、15年3月23日までに買収の可否を最終決定する。