欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2015/4/27

西欧

HSBC、英国からの本社移転を検討

この記事の要約

英大手銀行HSBCは24日、英国からの本社移転の検討を始めると明らかにした。銀行に対する課税強化や規制に伴う負担増を受け、本社移転を求める株主からの声に応える。 HSBCは声明で、金融危機後の規制および構造改革の流れを受 […]

英大手銀行HSBCは24日、英国からの本社移転の検討を始めると明らかにした。銀行に対する課税強化や規制に伴う負担増を受け、本社移転を求める株主からの声に応える。

HSBCは声明で、金融危機後の規制および構造改革の流れを受け、「新しい事業環境のなかで本社を置くのに最も相応しい場所を検討するよう取締役会が経営陣に要請した」と説明。一方で、「(本拠地移転は)複雑な問題であり、結論を出すのにどれほどの時間を要するか、どのような結論になるか現段階では分からない」とした。

移転先をめぐっては、1993年まで本社を置いていた香港が有力との見方が出ている。香港金融管理局は「HSBCは香港最大の銀行であり、香港とは歴史的に深いつながりがある」との声明を出し、HSBCの本社が香港に復帰することを歓迎する意向を示している。ただ、香港への本社移転は必ずしもコスト削減にはつながらないとの指摘もある。ミラボー・セキュリティーズのアナリスト、ポター氏は、「英国にとどまれば2015年は税負担が数百万ドル増えることになるが、別の国に移転しても数百万ドルの費用がかかる」と述べとともに、中国政府の金融政策は英国政府のそれよりも予見可能性が低いとの見方を示した。