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2014/8/18

西欧

テレフォニカ、ビベンディにブラジル子会社買収を提案

この記事の要約

スペイン通信最大手のテレフォニカは5日、仏メディア・通信大手ビベンディ傘下のブラジル通信会社GVTの買収を提案したと発表した。スペイン事業が苦戦する中、ブラジルでの事業基盤を強化し、収益拡大を図る狙いがある。 GVTはイ […]

スペイン通信最大手のテレフォニカは5日、仏メディア・通信大手ビベンディ傘下のブラジル通信会社GVTの買収を提案したと発表した。スペイン事業が苦戦する中、ブラジルでの事業基盤を強化し、収益拡大を図る狙いがある。

GVTはインターネット接続サービスと有料テレビ事業を展開している。テレフォニカはビベンディに対して、現金119億6,000万レアル(約39億2,000万ユーロ)とブラジル部門テレフォニカ・ブラジルの株式12%での買収を提案した。テレフォニカ・ブラジルの5日現在の時価に基づく買収総額は67億ユーロに上る。さらにテレフォニカは、ビベンディが希望すれば保有するイタリア通信最大手テレコムイタリアの株式8.3%を譲渡することも発表した。これには、テレコムイタリアがブラジルで事業を展開していることから、同社の株式を手放すことでブラジル競争当局からGVT買収の認可を取り付ける際の障害を減らす狙いがあると目される。

中核のメディア事業に経営資源を集中する方針を打ち出しているビベンディは、昨年にGVTの売却を試み、テレフォニカなどが買収に乗り出したが、価格が希望の70億ユーロに届かず、断念していた。ビベンディは5日発表した声明で、現時点でGVTを含む子会社の売却は計画していないとしながらも、テレフォニカの買収提案を月内に開く取締役会で検討する意向を表明した。

GVTをめぐっては、2009年にテレフォニカとビベンディが争奪戦を繰り広げ、ビベンディが買収を決めた経緯がある。