2010/2/17

ポーランド

ポーランド、「収れん計画」でユーロ導入時期明示せず

この記事の要約

ポーランド政府は8日、ユーロ導入への道筋を示す「経済収れん計画」をまとめ、EUの欧州委員会に提出した。この中で政府は、国内総生産(GDP)比の単年度財政赤字を、今年の6.9%から2012年にユーロ導入の基準値である3.0 […]

ポーランド政府は8日、ユーロ導入への道筋を示す「経済収れん計画」をまとめ、EUの欧州委員会に提出した。この中で政府は、国内総生産(GDP)比の単年度財政赤字を、今年の6.9%から2012年にユーロ導入の基準値である3.0%以内に抑制すると定めた。ただ、具体的な導入目標時期の設定は見送った。

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「収れん計画」は、欧州委が加盟国に欧州連合(EU)の財政基準を順守させるため、定期的に提出を義務付けているもの。Rodziwill財務副大臣はこの計画で12年にはユーロ導入基準をすべて達成し、「13年には(ユーロ導入の前段階である)欧州為替相場メカニズム(ERM2)に確実に入れるはずだ」と述べた。導入時期の目標が明示されなかった理由については「まず財政基準を満たすことが第一。いまだに市場が不安定であることも考慮した」と説明した。

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だが、アナリストの多くは同計画を懐疑的にみている。政府は10~12年の国内総生産(GDP)成長率をそれぞれ3%、4.5%、4.2%と予測。対ユーロの平均為替レートも、今年の1ユーロ=3.96ズロチから12年には3.55ズロチと、10%以上ズロチ高が進むと見込む。これによりGDP比債務残高の伸びが抑制され、12年でも55.8%でユーロ導入基準値以内に収まるとしているが、BNPパリバのエコノミスト、Dybula氏は「楽観的に過ぎ、非現実的な経済シナリオだ」と切って捨て、「政府は包括的な財政改革に消極的なのではないか」と疑問の声を上げた。

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政府は08年11月、12年1月のユーロ導入を目指す計画を策定。ところが、経済危機により財政赤字が膨らみ、昨年7月に計画を断念した。

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