2010/2/17

チェコ・スロバキア

チェコ国営送電CEPS、再可エネ新計画の承認停止を訴え

この記事の要約

チェコ国営送電会社CEPSは太陽光、風力発電の新プロジェクトを制限したい意向だ。CEPSは10日、「このペースで再生可能エネルギー由来の電力供給量が増加すれば送電網が耐え切れず、停電を起こす可能性がある」として、民間の地 […]

チェコ国営送電会社CEPSは太陽光、風力発電の新プロジェクトを制限したい意向だ。CEPSは10日、「このペースで再生可能エネルギー由来の電力供給量が増加すれば送電網が耐え切れず、停電を起こす可能性がある」として、民間の地方配電会社に対し、太陽光、風力による新たな発電所整備計画に配電網への接続許可を出さないよう要求。政府にも、太陽光発電を急増させる原因となっている固定買い取り価格制(フィードインタリフ)の改正を求めた。

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チェコは2005年、再生可能エネルギーへの投資促進のため、発電所稼動後20年間にわたって買い取り価格を固定するフィードインタリフ制を導入した。設定された買い取り価格が欧州内で最も高かったうえ、先行して同制度を導入したスペイン、ドイツが08~09年にかけて買い取り価格を引き下げたことからチェコの買い取り価格の高さは突出。チェコも今年1月から5%引き下げて1キロワット時(KWh)あたり12.25コルナに引き下げたが、それでもドイツより3割以上高い水準となっている。

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高い固定買い取り価格に加え、08年から太陽電池モジュールの価格が低下したことで「チェコの太陽光発電への投資資金回収期間は10年以下」(ロイター引用の専門家)という状態になり、太陽光発電への投資が急増。08年末に70メガワット(MW)にとどまっていた同国の太陽光発電による発電能力は1年間で470MWに伸び、さらに承認済みの計画は3,500MWに上るという。

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同国は総発電力量に占める再生可能エネルギーの割合を2010年までに10%に引き上げようとフィードインタリフ制を導入したが、承認済みの計画まで含めると、太陽光発電だけで20%を超える。こうした状況をCEPSは「許容できない」として、「強制的に再可エネ事業者からの電力接続を止めなければならない事態も起こりうる」と強く警告。同国の固定買い取り価格は年1回、最大5%の改定が許されているが、この価格を大幅に引き下げるよう法改正し、新規開発を抑制するよう政府に求めた。(1CZK=4.7JPY)

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