ウクライナ議会は11日、ミコラ・アザロフ元副首相兼財相を首班とする新内閣を賛成多数で承認した。アザロフ新首相は内閣発足が決まった後の議会演説で、昨年11月から凍結されている国際通貨基金(IMF)の金融支援早期再開を目指すと表明。凍結の原因である今年の予算案についても、「4月の議会提出を目指す」と抱負を述べた。
\アザロフ新首相は、ヤヌコビッチ大統領の出身政党である地域党に所属し、先の大統領選で選挙対策委員長を務めた大統領の盟友。このほか新内閣では、大統領選の第1回投票で3位となったティヒプコ元中銀総裁を経済政策担当副首相に起用。外相には駐ロシア大使のフリシェンコ氏が就任し、ロシア重視が示された格好だ。
\同国議会では3日、ティモシェンコ内閣に対する内閣不信任が成立し、ヤヌコビッチ大統領が主導して新内閣の早期成立を模索していた。地域党を軸とする与党の議席数は過半数に達していないが、新内閣の承認を問う投票を前に、投票権を従来の党派ごとから議員個人に移す法改正が可決。ティモシェンコ連合や我々のウクライナなど、前連立与党からも造反議員が出て、新内閣成立に必要な票が集まった。一方、ティモシェンコ前首相は「内閣承認の投票権を議員個人に移した法改正は違憲」だと非難、新内閣との対決姿勢をあらわにしている。
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