2011/5/11

ロシア

ロスネフチ、BP独製油事業の権益取得

この記事の要約

ロシアの石油最大手ロスネフチはこのほど、英ブリティッシュ・ペトロリアム(BP)がドイツで展開している合弁製油事業の権益50%を取得した。BPの5日の発表によると、同取引は予定より5カ月早く完了したという。6日付の『モスク […]

ロシアの石油最大手ロスネフチはこのほど、英ブリティッシュ・ペトロリアム(BP)がドイツで展開している合弁製油事業の権益50%を取得した。BPの5日の発表によると、同取引は予定より5カ月早く完了したという。6日付の『モスクワ・タイムズ』が報じた。

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ロスネフチは今回、BPとベネズエラの国営石油会社PDVSAの合弁会社である独製油大手ルール石油(Ruhr Oel)の権益50%をPDVSAから16億ドルで取得した。西欧の最新製油技術を獲得し、欧州事業を拡大する狙いがある。ドイツで4つの石油化学プラントを運営するルール石油は、同国の製油能力の約20%を保持しており、ロスネフチの欧州での製油能力も同社全体の18%に上昇する。

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■ロスネフチとBPの株式持ち合いは難航

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一方、ロスネフチとBPが北極圏における石油・ガスの共同探査・採掘を目指して今年1月に合意した株式持合い計画は難航している。BPのロシア合弁会社TNK-BPの資本50%を握るロシアの投資家グループAARが同取引に反対しているためだ。

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AARはBPの提携契約違反を理由に英国高等法院に、ロスネフチとBPの株式交換の差し止めを請求。ストックホルムの調停裁判所取引は6日、「ロスネフチが(BPとではなく)TNK-BPと北極圏の開発プロジェクトを実施することに同意すれば、株式交換は行える」との決定を下した。さらに、「BPとロスネフチは両社の株式交換が単なる資本の持ち合いであることで合意し」、「両社はお互いの取締役会に独立した社外取締役を送らなければならない」とした。

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今回の判決は、BPの「TNK-BP抜きでロスネフチと北極圏の資源開発を進める」という計画を否定するもので、株式持ち合いから当初の狙いである戦略的提携という性格を奪う格好となっているため、BPは難しい対応を迫られることになる。

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