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2011/8/31

ハンガリー

ハンガリー中銀、金利6%に据え置き

この記事の要約

ハンガリー国立銀行(MNB)の金融政策理事会は24日、政策金利を6%に据え置くことを全会一致で決定した。インフレ率の低下や物価上昇圧力の緩和、経済減速など、ここ数カ月の経済的状況を踏まえたものだ。金利の据え置きは7カ月連 […]

ハンガリー国立銀行(MNB)の金融政策理事会は24日、政策金利を6%に据え置くことを全会一致で決定した。インフレ率の低下や物価上昇圧力の緩和、経済減速など、ここ数カ月の経済的状況を踏まえたものだ。金利の据え置きは7カ月連続となる。経済失速を理由に利下げ観測も強まっているが、理事会は中期的なインフレ目標の達成に向け、現在の水準を持続する必要性を確認した。また、今後の金利設定では、欧州債務危機の成り行きや、国内のインフレ期待の推移が判断の基準となると指摘した。

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MNBは同日の記者会見で、国内経済の回復は緩やかなペースにとどまり、内需も不振が予想されることから、2012年末までのインフレ目標達成には追加的な金融引き締め策は必要ないと判断したと説明した。今後の金利設定では、内需の不振と高失業率がどう価格に反映されるかにも注目するとした。

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2011年4-6月期のハンガリー国内総生産(GDP)は名目ベースで前年同期比1.5%の成長にとどまり、予想の2.3%を下回った。実質ベースでは前期比でゼロ成長となり、失速が明確になっている。これを背景に、財政赤字を目標レベルに抑えるためには追加的な措置が必要とみられる。

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7月の消費者物価指数(CPI)伸び率は3カ月連続で縮小し、3%近くまで低下した。生鮮食品の値下がりや、管理価格の上昇を抑える努力が奏功した結果だ。一方で、価格変動の激しい食品やエネルギーを除いたコアインフレ率は、資源価格の上昇分が小売価格に転嫁されたため、上昇が続いている。

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MNBは今後の経済動向について、まず世界経済に減速の兆候が出ていることを確認。ハンガリーの経済成長原動力となる輸出が減少すると予想する。ただ、自動車業界を中心に大型投資が予定されており、余波はその分小さくなるとみる。また、輸出の伸びは鈍るが、内需低迷で輸入も減少するため、貿易黒字額は現在の高水準を維持する。企業投資は、融資条件の厳格化や世界経済の先行き不透明感で回復が遅れるとしている。

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