2011/8/31

CIS諸国

韓国、カザフとの経済関係強化

この記事の要約

韓国の李明博大統領がカザフスタンを訪問した25日、両国間で2件の大型プロジェクト契約が締結された。李大統領は2008年の就任以来毎年、カザフスタンのナザルバエフ大統領と会談しており、09年には戦略パートナーシップの強化で […]

韓国の李明博大統領がカザフスタンを訪問した25日、両国間で2件の大型プロジェクト契約が締結された。李大統領は2008年の就任以来毎年、カザフスタンのナザルバエフ大統領と会談しており、09年には戦略パートナーシップの強化で合意。両首脳は今回の会談でも大型プロジェクトの成功に向けて協力していくことで一致した。

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締結されたプロジェクトの1つは、カザフスタン北西部にあるバルハシュ湖沿岸に2基の石炭火力発電所を建設・運営するというもので、投資規模は40億米ドル。韓国側からは韓国電力公社(KEPCO)とサムスングループ傘下のサムスン物産が各35%の出資比率で参加する。新発電所の総出力は1,320メガワット(MW)で、カザフスタンの電力需要全体の7%を賄えるという。発電した電力は同国政府が指名した機関に販売される。

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また、韓国の化学最大手LG化学とカザフスタン石油化学(KPI)は折半出資の合弁会社を設立し、カスピ海沿岸に面したアティラウに石油化学コンビナートを建設することで合意した。カスピ海近くのテンギス油田から出るエタンガスを使用して、エチレンとポリエチレンをそれぞれ年84万トン、80万トン製造する計画だ。2016年のコンビナート完成、17年の稼働を予定している。投資規模は40億ドルで、経営権はLG化学が握る。

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韓国とカザフスタンは今回、大型プロジェクト2件のほか技術協力センターの設立など約20件の2国間の事業契約を締結した。また、両国首脳は、2015年までに貿易規模を現行の2倍の20億ドルに拡大するという目標を掲げた。

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■韓国、ウズベクでは大型ガス田プロジェクト

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李大統領がカザフスタン訪問前に訪れたウズベキスタンでも23日、両国間でアラル海に近いスルギルガス田を開発し、ガス化学プラントを建設する約40億ドル規模の大型プロジェクト契約が締結された。ガス田開発では韓国企業連合で構成されたスルギル合弁会社とウズベキスタンガス公社が契約を締結。ガス化学プラント建設では、サムスンエンジニアリング、GS建設、現代エンジニアリングの3社が設備納入などの契約文書に調印した。

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地下資源が豊富なカザフスタンとウズベキスタンは、韓国からの大型投資を活用し、付加価値の高い石油化学事業の強化や産業の多角化を進める考え。韓国企業も将来の中東地域での競争激化に備え、両国で低コスト事業を推進する戦略だ。

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