2011/8/31

ロシア

ロシア政府、成長予測を4.1%に下方修正

この記事の要約

ロシア経済開発省は27日、今年の予想成長率を従来の4.2%から4.1%に下方修正したと発表した。鉱工業生産の上昇率についても5.4%から4.8%に引き下げた。ただ、独立機関のアナリストは政府の見通しに懐疑的で、成長率は最 […]

ロシア経済開発省は27日、今年の予想成長率を従来の4.2%から4.1%に下方修正したと発表した。鉱工業生産の上昇率についても5.4%から4.8%に引き下げた。ただ、独立機関のアナリストは政府の見通しに懐疑的で、成長率は最悪の場合、2%にとどまると指摘する声が上がっている。

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ロシアの今年4-6月期の国内総生産(GDP)は前年同期比で3.4%増と、前期から減速。上半期では3.7%増にとどまった。経済開発省は、上半期を基準に通年の成長率を推定すれば3.8~3.9%となるが、下半期の成長加速を見込んで0.1ポイントの微修正にとどめたと説明した。

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今年の資本収支予測については従来のプラス・マイナスゼロから300~400億米ドルのマイナスに修正した。

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年内の通貨ルーブルの対ドル相場予測は、見通しが不透明としているが、中期的には従来予測よりもルーブル安の傾向が強くなるとみる。2012~14年の間に1ドル27.9ルーブルから32.2ルーブルまで下がる予測だ。

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原油価格については、今年の予測を従来の1バレル105ドルから108ドルへ上方修正した。来年以降についても引き上げ、2012年は100ドル、13年は97ドル、14年は101ドルに設定した。

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インフレ率は今年6.5~7%とし、従来の6.5~7.5%から上限を引き下げた。来年は5~6%、13年は4.5%~5.5%に据え置いた。一方、14年は従来の4~5%から4.5~5.5%に引き上げた。

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投資銀行のトロイカ・ディアローグは、予測の正確性に疑問を投げかけている。ロシア国家統計局(ロススタット)の今年1-3月期の統計値によると、小売売上高とサービス売上高がそれぞれ5%、2%拡大したのに対し、個人消費が5.7%伸びたとされている。しかし、これは計算上あり得ないというのが論拠だ。

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会計事務所のFBKでも、0.1ポイントの下方修正は楽観的に過ぎるとみる。政府の予測に反して、社会経済的状況がすでに今年後半から悪化しはじめる可能性を考慮に入れれば、経済成長率は最悪の場合2%にとどまると説明する。

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インフレ率についてもFBKでは今年12月の議会選、来年3月の大統領選挙に向けて財政支出が増えるため、今年は9%、来年は10%超に悪化しかねないと予測している。(1RUB=2.65JPY)

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