ロシアの銀行最大手ズベルバンクがオーストリアの同業フォルクスバンクの中東欧合弁会社、フォルクスバンク・インターナショナル（VBI）を買収する計画で、ズベルバンクが取引額の引き下げを求めていることが複数の消息筋の証言で明らかになった。ブルームバーグ通信が26日付で報じた。フォルクスバンクを除くVBIの株主は減額に難色を示しており、取引の成立が微妙な情勢となっている。
\消息筋によると、ズベルバンクは基本合意書を交わした先月15日以来、欧州銀行株価が22％下落したことを根拠に、買収額を6億7,000万ユーロから5億9,000万ユーロに引き下げることを求めている。
\フォルクスバンクは欧州銀行監督機構（EBA）が先月実施したストレステスト（健全性審査）で不合格となり、財務強化が急務となっている。VBI売却はこれに向けた措置で、取引が成立しなければオーストリア政府による国有化もありうる。
\一方で他のVBI株主である仏BPCE（出資比率：24.5％）、ドイツのDZ バンク及びWGZバンク（計24.5％）は売却を急いでおらず、WGZバンクはすでに減額を拒否する立場を示している。
\ズベルバンクはこれまで自国事業の強化に注力してきたが、収益力の改善に向けて中東欧・トルコ市場に目を向けている。VBI買収は同地域における事業展開の地盤を固める戦略の第一歩で、VBIを主体として他社の買収を進める方針を明らかにしていた。
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