2013/6/19

ロシア

ギリシャ、ガス公社売却が頓挫

この記事の要約

ギリシャ政府が実施した国営天然ガス企業DEPAの民営化入札は、期限の10日までに1件も応札がなく失敗に終わった。有力候補とされていたロシアの天然ガス最大手ガスプロムは最終段階で応札を見合わせた。\ ガスプロムの広報担当者 […]

ギリシャ政府が実施した国営天然ガス企業DEPAの民営化入札は、期限の10日までに1件も応札がなく失敗に終わった。有力候補とされていたロシアの天然ガス最大手ガスプロムは最終段階で応札を見合わせた。

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ガスプロムの広報担当者、クプリヤノフ氏は応札を取りやめた理由について「取引完了後に、DEPAの財務状態が悪化しないとの十分な保証が得られなかった」と説明した。ガスプロムはDEPAが扱う天然ガスのうち約3分の2を供給している。

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ギリシャ政府はDEPAの売却により最大9億ユーロの資金調達を見込んでいた。同国は国際通貨基金(IMF)と欧州連合(EU)から金融支援を受ける条件として、9月末までに民営化予定の国有資産などの売却で18億ユーロを調達する必要がある。しかし、現在までに調達できたのは7億ユーロにとどまっており、資金調達目標が未達に終わる可能性も出てきた。ただ、政府は今回の入札失敗によって国際支援に影響はないと説明。パパエオルギウ・エネルギー副大臣は、近く入札を再実施する方針であることを明らかにした。

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一方、DEPA傘下のガス輸送システム運営会社DESFAについては、アゼルバイジャン国営石油(SOCAR)が唯一応札した。ギリシャ政府はDEPAに先行してDESFAの売却を進める意向を示している。

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