2013/6/19

チェコ・スロバキア

チェコ首相が引責辞任、側近の汚職・職権乱用事件で

この記事の要約

チェコのネチャス首相が17日、辞任した。側近の汚職・職権乱用をめぐる混乱に対する責任を取った形だ。首相は現行の中道右派連立政権の継続を望む立場を明らかにしたが、連立3党の足並みがそろうかなど不確定要素が多く、来年5月に予 […]

チェコのネチャス首相が17日、辞任した。側近の汚職・職権乱用をめぐる混乱に対する責任を取った形だ。首相は現行の中道右派連立政権の継続を望む立場を明らかにしたが、連立3党の足並みがそろうかなど不確定要素が多く、来年5月に予定される下院選挙を前倒しで実施する可能性も浮上している。

\

チェコ警察は13日早朝、首相府、国防省、ODSに所属する政治家と同党に近いロビイストの自宅・事務所など約50軒を捜索し、書類のほか、数十キログラムの金塊と現金1億5,000万コルナ(約580万ユーロ)を押収した。その上で、ナジョヴァー首相府長官、フクサ前農業相、国防軍軍事情報部(VZ)の部長および前部長、ODS下院元議員などを汚職・職権乱用の疑いで逮捕した。

\

ナジョヴァー長官は昨年、首相が成立を目指す税制改革法案に反対するフクサ前農相などODS議員3人に対して、議員を辞職して国営企業監査役に就任するよううながしたことが疑われている。これら監査役の報酬が非常に高く、検察庁では組織犯罪組織を背景に持つ贈収賄行為とみている。

\

また、ナジョヴァー長官はネチャス首相と愛人関係にあると言われ、離婚手続き中のラドカ首相夫人など3人に対する盗聴を軍事情報部に命じたもようだ。すでに軍事情報部関係者がこれを裏付ける証言を行っている。

\

ネチャス首相は当初、側近らへの嫌疑を否定し、辞職はしない姿勢だった。しかし、警察の押収した証拠が有力なこと、18日に予定されていた内閣不信任案決議で連立与党の支持が受けられない情勢となったこと、ゼマン大統領が間接的に辞任を勧告したことなどを受けて、決意を固めたもようだ。

\

議会改選なしに新内閣を組閣する場合、次期首相としてクバ産業貿易相が有力候補の一人と目されている。

\
COMPANY |
CATEGORY |
KEYWORDS |