2013/6/19

ルーマニア・ブルガリア・その他南東欧・トルコ

スロベニア流通最大手、クロアチア企業が買収

この記事の要約

スロベニアの流通大手メルカトルの株主連合は14日、クロアチアの食品・流通大手アグロコルに株式53.12%を売却することで合意し、契約に調印した。取引額は1株あたり120ユーロ、総額2億4,000万ユーロに上る。当局の許可 […]

スロベニアの流通大手メルカトルの株主連合は14日、クロアチアの食品・流通大手アグロコルに株式53.12%を売却することで合意し、契約に調印した。取引額は1株あたり120ユーロ、総額2億4,000万ユーロに上る。当局の許可を経て年内に手続きが完了する見通しだ。メルカトル買収により、アグロコルの年商は70億ユーロ、従業員数は6万人に拡大する。

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アグロコルはクロアチア最大手のスーパーマーケット「コンズム」を展開する。昨年に1株あたり221ユーロの買収額を提示するなど、以前からメルカトルに食指を動かしていたが、メルカトル側が敵対的買収ととらえ拒否してきた。しかし、財務悪化に伴い、債権銀行の圧力が高まり、買収に応じることになったもようだ。

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メルカトル株主連合には、23.3%を出資する筆頭株主の飲料メーカー、ピヴォヴァルナ・ラスコや、ピヴォヴァルナ・ユニオン、国営銀行ノヴァ・リュブリャナ・バンカ(NLB、出資比率10.7%)など12社が参加している。

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メルカトルは国内で1万2,000人を雇用する。同社に商品を納入する食品業界の雇用も3万2,000人に上り、アグロコルによる買収が失業を生むとの懸念も浮上している。

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メルカトルは昨年の最終損失が1億360万ユーロに上り、11億ユーロの債務借り換えが課題となっている。

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今回の売却で政府は間接的に保有していたメルカトル株を手放す。このほかにも財政難再建に向けて年内に15社を民営化する予定だ。

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