2014/1/8

ハンガリー

ハンガリー国有銀行、ライフアイゼンに子会社買収を提案

この記事の要約

ハンガリーの国有銀行セーチェニー・バンクがオーストリア大手銀行ライフアイゼンバンクのハンガリー事業を買収する提案を行ったもようだ。複数の現地メディアが報じた。今年の選挙で再選を目指すオルバン首相は、以前から金融業界のハン […]

ハンガリーの国有銀行セーチェニー・バンクがオーストリア大手銀行ライフアイゼンバンクのハンガリー事業を買収する提案を行ったもようだ。複数の現地メディアが報じた。今年の選挙で再選を目指すオルバン首相は、以前から金融業界のハンガリー資本比率を50%以上に引き上げる方針を明らかにしており、今回の提案もそれに沿った動きとみられる。同じオーストリア金融大手のエルステのハンガリー子会社にも食指を動かしているという。

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外資系銀行は2008年の金融危機までハンガリー事業で大きな利益をあげていた。しかし、その後は外貨建て債権の焦げ付きに加え、外資系銀行を対象とする銀行税や、オルバン政権の外貨建て債権者救済措置などで経営が悪化。ライフアイゼンバンクは2013年6月中間期に8,300万ユーロの最終損失を計上し、ハンガリー市場撤退も検討すると発表していた。

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マトルチ中銀総裁は先月、メディアとのインタビューの中で、外資系の大手8銀行のうち4行が1年半以内に撤退すると発言し、その穴は国内の中堅銀行あるいは新設銀行が埋めるとの見方を示した。ハンガリーに進出している外資系銀行にはオーストリアの両行のほか、イタリアのインテサ・サンパオロ、ウニクレディト、ベルギーのKBC、独バイエルン州立銀行、米国のシティ、GEキャピタルがある。

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政府は昨年8月にセーチェニー・バンクの資本49%を取得した。残る51%を握る投資会社T&Tの陰には、債務管理局(AKK)のテレチュケイ長官がいるといわれており、セーチェニー・バンクは事実上、オルバン政権の管理下にある。

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