チェコのエネルギー企業EPHが独同業のエーオンからスロバキアの天然ガス貯蔵・原油探索企業NAFTAの株式40%を買収した。EPHの広報担当者が12月31日、チェコCTK通信に明らかにした。取引額は明らかにされていない。
\EPHはNAFTAの株式56.15%を保有するスロバキアのガス供給最大手SPPに49%を出資し、その経営権を握る。今回の取引でガス貯蔵市場における地位を強化することになる。
\なお、SPP株51%を保有するスロバキア政府が昨年9月にSPPのガス輸入事業を完全国有化することを決定したことを受け、EPHは出資構成の変更で政府と合意を結んでいる。
\NAFTAは天然ガス貯蔵で豊富な経験を有し、地下貯蔵施設の建設も手がけてきた。同社の地下貯蔵能力は23億立方メートルに上る。また、探索事業でもスロバキアの最大手だ。
\EPHは石炭の採掘、発電、暖房、電力・ガス取引の分野で合計30社を運営する。チェコでは熱供給で最大手、電力供給でも2位につける。スロバキアでは送ガスから小売、貯蔵までを手がけるガス分野の最大手となっている。
\EPHでも株主構成が近く変更されるもようだ。現地メディア報道によると、筆頭株主であるチェコの実業家ケルナー氏は先月、持ち株44.44%を投資会社J&Tと、EPHのクジェティンスキー社長に売却する方針を固めた。取引額は300億コルナ(11億ユーロ)に上るという。
\ケルナー氏は11月にスペイン電気通信大手のテレフォニカからチェコ・スロバキア事業を24億7,000万ユーロで買収。スロバキアテレコムの少数株取得にも関心を示していると言われる。
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