ロシアの財政赤字の対国内総生産（GDP）比率は今年3.2％となり、昨年の0.5％から大きく悪化するもようだ。ロシア財務省筋の情報として現地紙『RBCデイリー』が19日伝えた。欧米の制裁や原油価格の急落で経済が一段と悪化すると予想されるためで、210億ドル規模の歳出削減策にもかかわらず赤字額はこれまでの予想を70億ドル上回る見通しという。
昨年11月時点では15年財政赤字の対GDP比率を0.6％と想定していた。財務省のスベトラナ・ニキーチナ報道官は「予算の見直し作業が終了していない時点でのコメントは差し控える」としている。
同紙によると、政府は赤字を補てんするため、緊急時のための準備基金から全体の半分に当たる435億ドルを取り崩す予定だが、原油価格が現在の1バレル＝50ドル近辺で推移すると、基金は16年中に底を突く。
