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2010/5/12

総合 - ドイツ経済ニュース

ギリシャ支援法案が独で成立、ユーロ加盟国新支援制度は閣議承認

この記事の要約

ギリシャの財政危機とユーロ信認問題を受け欧州連合(EU)が相次いで打ち出した対策案にドイツが急ぎ足で対応している。7日には緊急立法手続きを適応して連邦議会と連邦参議院がギリシャ支援法案をともに可決、同日夕方にはケーラー大 […]

ギリシャの財政危機とユーロ信認問題を受け欧州連合(EU)が相次いで打ち出した対策案にドイツが急ぎ足で対応している。7日には緊急立法手続きを適応して連邦議会と連邦参議院がギリシャ支援法案をともに可決、同日夕方にはケーラー大統領が署名し即日で発効させた。10日にも同日未明にEU財務相の緊急会合で創設が取り決められた新制度「欧州金融安定化メカニズム」を独政府が閣議承認している。

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ギリシャ支援策は同国のデフォルトを回避するため、ユーロ圏諸とIMFがギリシャに今後3年間で総額1,100億ユーロの緊急融資を行うというもの。ドイツはこのうちの224億ユーロを融資保証の形で引き受ける。支援法案に対しては中道右派の与党3党のほか、緑の党が賛成票を投じた。中道左派の社会民主党(SPD)は棄権している。

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欧州金融安定化メカニズムはギリシャ危機が飛び火して資金難に陥った国が出た場合に最大7,500億ユーロの緊急支援を行うもの。まずはEUが最大600億ユーロの支援を行い、それでも足りないときはユーロ加盟国と国際通貨基金(IMF)が加わり融資保証を行うことになっている。ユーロ加盟国の支援額は計4,400億ユーロで、ドイツは欧州中央銀行(ECB)への出資比率(約28%)に応じて1,230億ユーロを分担する。ドイツの分担額については、必要に応じて最大20%引き上げられることも盛り込まれているようだ。IMFは残り2,500億ユーロを負担することになっている。

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ドイツでは今後、同メカニズムについて連邦議会と連邦参議院で審議する。現時点ではギリシャ以外に緊急支援を必要とするユーロ加盟国がないため、政府は緊急立法手続きを適用しない。法案成立は6月を見込んでいる。

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